本日は晴天。

 お空はこんなにいい天気なのに、友人殿の気分は雨か雷、台風模様。

 とにかく悪いことに変わりはない。

 周りの奴らもちらちらと私たちを見てくる。

 うーん、身分の関係上誰も注意してこないなぁ。

 さすが、碧家の珀明さん。

 でも、いい加減空気がうざったい。

「いい加減にしたらどうだい? その顔」

 こんな良い日に辛気臭いぞ。

 茶化そうとしたら睨まれた。

 もうすぐ新進士任命式が始まるってのにさぁ。

 晴れの舞台だというのに、緊張なら分かるのが怒るのは止してほしい。

 空気が重くなるじゃないか。

「まったくあの馬鹿は、まさかとは思うが式に出ないつもりなのか?」

 イライライラ。

 珀明の怒りの原因は、時間なのに現れない龍蓮。

 思えば珀明ってばいつも怒ってないか?

 反応があるから面白いけど、カルシウム足りてないのかな?

「出たら出たで、すごいことになると思うぞ」

 何せ、龍蓮は藍家直門『双龍蓮泉』からつけられた者。

 緊急時には、当主の決定を覆すほどの力を持つ。

 そんな奴が官吏になったら……考えるだけでも恐ろしい。

 そもそも、我が道を行く龍蓮に官吏なんかが勤まるわけがない。

 朝廷が止まっちゃうんじゃないか?

「ま、まあ、そうだな」

 目はどこか遠いところを見てる。

 国試のときのことを思い出しているんだろうなぁ。

 あれは凄かった。

 一生忘れないだろう。

 いや、忘れられるわけがない。

 私も真面目に勉強するつもりだったが、いやーできないできない。

 状元狙ってたんだけど取れなくて、よく分からん彩虹なんての貰ったけどさ。

「さて、そろそろみたいだぞ」

 先導する官吏がやって来た。

、分かっているとは思うがヘマはするなよ」

「もちろんだ。珀こそそのしかめっ面をどうにかしろよ。絳兄上に敬遠されても知らないぞ」

「――なっ?!」

 勝者、私。

 珀明は絳攸に弱いから楽だなぁ。

 クスリと笑いながら、大人しく管理の後をついていく。

 いよいよ、これから新進士任命式が始まる。

 絳攸も黄尚書も柚梨も……ついでに黎深も見ている。

 下手な姿なんか見せられない。





「本年度、特別位及第者――彩虹、紅

「はい」

「第一位――状元、杜影月」

「――はい」

「第二位――榜眼、藍……龍蓮」

 返事なし。

 ちょっと間が空いてから。

「第三位――探花、紅秀麗」

「はい」

「以上、第一甲第四名、復唱いたしました」

 上治二年、国試及第者上位四名。

 特別位、彩虹――紅・十六歳 男。

 第一位、状元――杜影月・十三歳 男。

 第二位、榜眼――藍龍蓮・十八歳 男。

 第三位、探花――紅秀麗・十七歳 女。

 ついでに、第二甲及第者として。

 第四位、碧珀明・十七歳 男。

 彩雲国の歴史を見てもこれほど若い上位及第者たちはいない。

 そう言えば王も二十歳だ。

 最上治と劉輝治世を称える呼び名があるし、これからが楽しみだ。

 何せ、私が知っているのは「紅梅は夜に香る」まで、だ。

 それから先のことは知らない。

 秀麗の地位が安定するまで、朝廷で頑張るつもりだ。

 さあ、気合入れて行くぞー!





修正2006.12.11